保育・介護事業での取り組み
海運会社は、海がその活躍の舞台であり、国内の一般社会、一般消費者からの認知度は実は希薄です。外航船主業を主力とする当社グループは、国内でのホテルや不動産事業による経営の安定化に加えて、より社会貢献につながる事業を取り入れることで、地域社会にも求められ、選ばれる存在であり続けたいと考えています。保育・介護事業は、社会貢献度が極めて高い事業であると同時に、日本社会が抱える少子高齢化や待機児童問題への対応など、地域社会にも大きく貢献できる事業として参入し、積極的な拡大を図っています。
保育事業では、子どもたち一人ひとりの個性を掴み、豊かな人間性を育むと同時に、自主性と心を育てる温かい保育を目指しています。また介護では、ご高齢の方々の暮らしが快適で豊かなものとなるよう、細やかな心遣いで日常生活をサポートします。当社グループは、これからも万全の体制を整えて、人の心と向き合う保育・介護事業への取り組みを充実させて参ります。
- 社会への取り組み
保育園・介護施設の運営
当社グループでは、より地元に密着した地域貢献を目標に掲げ、2014年11月にグループ初となる保育園を大阪市に開設しました。その後、吹田市、神戸市、明石市にも開園し、待機児童の解消などに取り組んでいます。
また、高齢化が進み将来的にも増え続ける介護ニーズに寄与したいとの思いから、2020年に介護施設業を開始しました。サフィールケアグループにて介護付き有料老人ホームを運営し、地元地域に根差した、ご利用者様が安心して利用できる施設を提供しております。
保育・介護事業を通じた社会課題の解決
少子高齢化が進む中、子どもや高齢者が日々をすこやかに過ごすために、保育園や介護施設は大きな役割を担っています。くじら保育園グループでは、一人ひとりの個性を育み、発達状況に応じた保育の実現を目指しています。また、大阪・福岡で運営している介護付有料老人ホームでは、入居者さま一人ひとりの暮らしをきめ細やかにサポートできるよう、手厚い人員配置を行うとともに、地域の医療機関との連携や看取り介護の充実にも取り組んでいます。
安全で安心できる施設を実現するための取り組み
国内の児童相談所における児童虐待相談件数が増加している中、子どもやその家族に日常的に接している保育園は、児童虐待につながる可能性のある変化にいち早く気づくことのできる役割を担っています。くじら保育園グループでは「虐待対応マニュアル」を策定し、保育園の職員に対して研修を行っています。昨今の児童虐待を取り巻く状況や虐待が疑われるケースや対応フローについて学ぶことで、保育園における児童虐待の防止および親子への温かく適切な支援を行う取り組みを促進しています。
サフィールケア各施設では、高齢者虐待防止法に基づいた内部研修を通して、高齢者を、虐待という権利侵害から守り、尊厳を保持しながら安心して生活を送ることができるよう努めています。虐待にあたる行為、適切な声掛かけやケアの仕方を学ぶことで、介護に関する知識や技術だけでなく、人権感覚を身につけた人材を育成し、入居者さまとの信頼関係の構築につなげています。
保育園の食における配慮
くじら保育園グループでは、健やかな心身を育む食習慣を身につける「食育」の一環として、野菜や果物の栽培・収穫を行っています。身近な食べ物の栽培活動を通じて、食への興味や関心が高まり、食べる楽しさや命の大切さ、食べ物を届けてくれる人たちへの感謝の気持ちなどを学んでいます。
保育園での給食は、栄養計算ソフトを活用した献立表を作成することに加え、HACCPの導入、食品衛生講習会への参加、立ち入り衛生検査の実施を行い、効率的かつ安心安全な食事の提供をしています。
地域の自然との触れ合い
お散歩や遠足など、野外での活動を通して、四季折々の植物や生き物に触れ合うことのできる環境づくりを心掛けています。自然と触れ合うことで、豊かな感受性を育み、想像力や発想力を伸ばすことにつなげています。
地域との連携
保育園や介護施設では、立地する地域と連携を図るとともに、地域活性化につながる取り組みを行っています。
例えば、保育園では、地域の民生委員や消防署などに園児が作成したカレンダーをお届けする取り組みを実施してきました。また介護施設では、地域の介護事業者や民生委員、ケアマネージャー等が参加する地域ケア会議に参加して、情報交換やノウハウの共有を行い、地域全体の介護の質の向上に貢献しています。
新型コロナウイルス感染症の拡大でイベント等の中止が続いていますが、今後も機会を活かし積極的に取り組んでいく考えです。
保育・介護人材の働きやすさ・働きがいの向上
2019年7月に、人材紹介事業の第一歩となる有料職業紹介事業の許認可を取得し、保育園で働く保育士や栄養士、またサフィールホテルズのホテルやレストランで働くホテルスタッフ、調理人の人材獲得を進めています。保育士の資格を持っているものの、現在保育の仕事についていない潜在保育士に対し、知識やスキル向上のためのセミナーへの参加を支援したり、復帰の際の懸念材料のひとつである「最新の知識・技能」を補完する取り組みも行っています。
保育園の職員については、キャリアアップ研修への参加を支援するとともに、園児の出席管理やアンケート、書類のICT化を促進し、保育士業務の負担軽減を図ることで、職場環境の整備に努めています。
介護付有料老人ホームでは、従業員の介護サービスの提供に係る、身体的・精神的負担を軽減し、介護の質の向上とご入居の皆様への安心感のあるサービス提供のために、入浴介助の支援機器の導入をしています。また、iPadを利用した介護記録の電子化、見守り用のセンサーマットなどICT化にも取り組んでおり、介護される側の負担軽減だけではなく、介護する側の負担の軽減にも努めており、従業員それぞれが健康で、安全に勤務できる環境作りに寄与しています。